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  1. 過去のストーリー

「必要のない努力はやめていい」と、気づいた時のこと(前編)

こんにちは。今日は月半ばで雨の休日。会社へ行く日よりも少し遅めに起きて、片付けをしていました。

要るもの・要らないものに分けて整理し、利用頻度や種類、目的によって置き場所を決めて、使ったものは元に戻すということが片づけの基本だと思いつつ、日々の「また後で」が積み重なって部屋の中は雑然としていくようです。

私はこまめに片づけることが苦手です。本はきちんと並んでいないと嫌なのですが、その他の物については自分の限界ラインを超えてからまとめて片付けるというスタイルなのです。あなたはどのようなタイプでしょうか。

さて、片付けついでに探し物をしていて懐かしいものを見つけました。それは資格取得のために勉強していた時の資料で、仕事にも活用してきたものです。

今日はその資料を見て思い出した過去のストーリーです。長くなってしまったので、前半と後半に分けてお伝えしますね。よろしければ、お付き合いくださいませ。

再就職のための第一歩を踏み出す

平成9年の4月、息子たちが保育園に通うようになったことを機に、経理の正社員として再就職したいと思いました。

ですが、私には経験もなければ資格もありません。そこで、たまたま目にした簿記学校の新聞広告を見てまずは簿記の資格を取得しようと思いました。

簿記検定にはいくつか種類があるのですが、私が受けようと思ったのは日商簿記検定というものです。「2級を取得すれば就職に有利なはず!」と考えた私は、早速入学手続きを済ませ、5月から週2回、5か月間の予定で通学生活が始まりました。

久しぶりに学生に戻った気分を味わい、家事や育児とは違う時間はとても新鮮で楽しいものでした。

ずっと抱えていた気がかり

実は結婚をする前、販売職から事務職へ転職してすぐ簿記学校へ通い3級を取得していました。その時は2級の学習へ進みましたが残業で通えない日が続き、授業の内容についていけなくなり止めてしまいました。

せっかく合格した3級の合格証書も取りに行くことが出来ず、簿記学校は閉校、受かった確証が手元にないことがずっと気がかりでした。

その時の後悔もあり、すっかり忘れてしまった3級を一からやり直し11月の検定試験で2級に一発合格することを目指し毎日2時間以上勉強することを決めました。

不思議なもので、ちゃんと目標を設定してやると決めることで、習慣にできるものなのですね。

最高の喜びを手に就職活動したが・・・

思えばあの時は、小学生の時のそろばんの段位認定試験、高校受験の時と同じくらい、私にとっては大変な努力をしました。今は、あんなに頑張れる自信はないですね(笑)

21時に息子たちを寝室へやり、寝付かなくても21時になったら寝室を出てリビングのテーブルで勉強を2時間するという生活を、試験の前日まで1日も欠かさず続けた結果、2級に満点で合格することができたのです。

すぐに履歴書の資格欄に「簿記2級合格」と記載して、「未経験可」の求人に応募を始めましたが・・・・

書類選考をなかなか通過しない、
書類選考に通過しても子供がいるとすぐ休むと思われる、
夫に働く許可は取ったのかと言われる、

そして最後に、ダメ押しのフレーズ「30代前半で未経験は厳しいね」・・と言われる。

結局、資格を手に意気揚々と始めた就職活動は上手くいきませんでした。

資格試験でも2度目の挫折?

経験はお金で買えない、年齢は巻き戻せない、それなら資格をよりよく難しい国家資格を取得しようと考えて税理士試験に興味をもちましたが、私には受験資格がなかったのです。

2級に合格したときに、「簿記の最高峰は税理士試験、受験資格がなくても1級に受かれば受験できる」と聞いていたので、簿記学校に勧められるまま日商簿記より簡単な全商簿記1級の勉強から始め、日商簿記1級の勉強へ進みました。

ですが・・

日商簿記1級は難しすぎて、授業にはついていけず、お金を払ったので最後まで通学はしましたが、試験を受けることなく独身時代の3級の時のように挫折してましいました。

後で知ったことですが、私が通っていた簿記学校で勉強した生徒の日商簿記1級合格率は業界内で低いことで有名だったそうです。難しい試験をクリアするには、学校を選ぶという意識も大切だったのですね。

他の事をしながら、機会をうかがう

その後、事務職とは関係ない様々なアルバイトをしながら数カ月ごとに就職活動も継続していましたが、時間が経つにつれ未経験・年齢の壁はますます厚くなっていきました。

当時は、景気停滞の影響もあり求職者が求人の数を大きく上回っていたことで経験者や若い人が有利というわけでもなかったようですね。ハローワークの窓口で「すでに100人応募しています」と言われて諦めたこともありました。

それから、パソコンスキルが事務職には必須という世の中の流れに遅れまいと、「マウス」や「起動する」という言葉も知らなかったのに思い切ってパソコンを買い、日経パソコンという雑誌を手にExcel・Wordを勉強しました。

日商簿記1級の勉強も独学でやり直しました。最初過去問を解いても5点しか取れませんでしたが、コツコツ続けることで合格点に近い60点台が出せるまでの実力が付きました。

簿記1級の勉強中であることとパソコンで資料が作れるようになったことで、運よく監査法人にて経理補助兼一般事務のアルバイトが決まりました。

日商1級は、過去問では安定して合格に近い点数は取れるようになってきたので長期戦覚悟で受検してきました。どうしても税理士試験を受けたかったからです。
ですが、合格への道は厳しく、3回目も不合格だったとき、家族からも冷たい目で見られるようになりました。

はっきりと誰かに言われたわけではないのに、自分の中にいるもう一人の自分が否定・批判してきます。

子供がいるのに勉強優先って、母親としてありなの?
たかが簿記の試験合格に、何年かかるの?
受験資格を得るのに苦労していたら、税理士試験なんか無理でしょ。

自分を責めつつ、4回目の受験勉強をしながら監査法人でアルバイトをしていましたが、ある日、希望の光を見出しました。

長くなってしまったので、お話は後編へ続きます。後編では、ストーリーの続きと、気づきについて書いていきます。引き続き楽しんでいただけると幸いです。

後編はこちら >>

ここまでよんでいただき、ありがとうございます。

あやのはるか

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