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  1. 創作ストーリー

恋と友情は平行線 不思議な関係の行方(後編)

・・◇◆・・

実は十年目に会った時、僕は彼女に思い切って恋人になってもらえないかと伝えた。

ちょうど二人ともパートナーと別れた時で、同じタイミングで痛みを抱えた者同士、うまくいきそうな気がして。

今度はOKしてもらえるものと思ったが、あっさり振られた。僕の2度目の失恋だ。

「ごめん。今もあなたとの結婚は考えられない」と。

それから少し気まずくなって年に一度の近況報告会を僕は2年連続スルーした。

やっぱり男女の友情は難しいのか。
あ、友情を恋愛関係に変換しようとした僕が悪いのか。

それから3年後、僕は知人の紹介で知り合った女性と家族ぐるみのお付き合いを始めるようになっていた。

僕もやっと奈波さんにいい報告が出来そうだ。

奈波さんはすでにパートナーと同居を始めていて幸せそうだった。二人で旅行に行ったとか、食べ歩きで美味しいもの食べすぎて太ってしまったとか。

「おめでとう。式はいつ?」

奈波さんにメッセージを送ると、まだ、入籍する決心つかない、式は多分挙げないと返信が届いた。

「そうなんだ。実は僕もねやっといい報告ができるようになったよ」
「やったね!おめでとう」

ところが、入籍をする前日に、僕の彼女は事故に遭い二度と帰らぬ人になった。

どうしてこんなことに・・・、僕たち、何か悪いことでもしたのかな・・?

僕から結婚式の招待状が届かないよって、奈波さんから連絡がきた。もう私とは縁を切りたかったのかな、なにかあったのかなぁと思って。

ごく短いメッセージで、彼女が亡くなったことを伝えた。

「悟さん…なんて言葉を伝えたらいいのかわからない。・・ゆっくり、元気になってください」

僕も奈美さんからのメッセージになんて返信をすればいいのかわからなかった。

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